「最初からだよ。」


「えっ……。」


「入社して直ぐくらいかな。最初はまぁ、話しやすいし気の合うやつだなって思ってた。だけど話してて楽しそうに笑うお前見てると、俺だけに笑わねぇかな、俺だけのものにしたいなって。」


そ、そんなストレートに言われると照れるんだけど……。


「ごめん、そんな風に思ってくれてるなんて知らなかった…。」


「当たり前だろ、分かんねぇようにしてたんだからさ。」


「分からないように?」


「ああ、変に気持ち伝えてお前との関係がギクシャクするくらいならこのままでいいやって。結局、逃げてたんだよな。」
 

「志賀……」


「結局、藤枝さんとお前が付き合ってるって偶然に知った時は俺、すげぇ後悔した。」


そう、志賀は唯一、私と藤枝さんの事を知っていた。


「だからさーーー」


「ん?」


相変わらず昼時の社員食堂はざわついていて、誰も私達がこんな話をしてるなんて気にも止めない。


「俺、今回だけは前と同じような思いしたくないんだ。だからーーー」