「沙紀さん、ほんっとごめん。はい、お茶買ってきたから飲んで。」
「うん、ありがと。大丈夫。もう落ち着いてきたし。」
結局、上だか前だか分からない動きをする乗り物はやはり私にはかなりキツく。
少々、参ってしまった。
園内のお弁当を食べれるスペースにて暫しの休憩。
さすがの陽日も申し訳無さそうな顔で甲斐甲斐しくペットボトルのキャップを開け、私に手渡してくれる。
「口移しじゃ無くていい?」
前言撤回。
ふてぶてしい態度の陽日からペットボトルを奪い取り、一口飲む。
はぁ……落ち着くわ。
丁度、お昼時だしって事でお弁当を広げることにした。
「お弁当、食べようか?」
「やった、めちゃ楽しみぃ。」
な、なによ。子供みたいに喜んじゃって。
「たくさん、召し上がれ。」
作ったメニューは定番の玉子焼きに、タコさんウィンナー、アスパラベーコン、キンピラごぼう、それからそれから……
って私、めちゃ張り切ってる感じになってるじゃん。
「わぁ、これ全部沙紀さんが?」
「そうよ。お口に合えばいいけれど。」
「じゃ、早速。どれも美味そう。これから食べよ。」
と、陽日がまず取ったのは、私の自信作でもあるだし巻き卵。
こういう時、可愛い女子なら少し甘めの玉子焼きにするんだろうけど、私は昔から玉子焼きと言えばだし巻き卵。
子供の頃からの味なのだ。
「うわっ!」
だし巻き卵を口に入れた陽日が叫び声を上げる。
「ごめん、思ってたのと違った?」
やはり、若い彼には甘い卵焼きが良かったのかも。
「違う違う、確かに思ってたのと違うけど。」
やっぱりか……。
ごくんとだし巻き卵を飲み込むと陽日が言った。
「そうじゃなくて、甘いのだろうなって思って食べたらだし巻き卵だったから、めっちゃ嬉しくて。」
「嬉しい?」
「うん、ほら大抵、甘い卵焼きが多いでしょ?俺、実はあれ苦手なんですよ。」
「そうなの?」
「あれって言うより、甘い味のおかず全般苦手で…でも食べるけどね。」
「ああ、分かる。私もどちらかと言えば甘いおかずって苦手だな。」
「本当に?じゃあ、俺達結婚しても味の事で揉めることはないよね?」
「はぁ?け、結婚って何言ってんの?余計なこと言ってないで、お弁当たべなさいっ!」
なんだろ、これじゃあまるで親子みたいじゃない。
「うん、ありがと。大丈夫。もう落ち着いてきたし。」
結局、上だか前だか分からない動きをする乗り物はやはり私にはかなりキツく。
少々、参ってしまった。
園内のお弁当を食べれるスペースにて暫しの休憩。
さすがの陽日も申し訳無さそうな顔で甲斐甲斐しくペットボトルのキャップを開け、私に手渡してくれる。
「口移しじゃ無くていい?」
前言撤回。
ふてぶてしい態度の陽日からペットボトルを奪い取り、一口飲む。
はぁ……落ち着くわ。
丁度、お昼時だしって事でお弁当を広げることにした。
「お弁当、食べようか?」
「やった、めちゃ楽しみぃ。」
な、なによ。子供みたいに喜んじゃって。
「たくさん、召し上がれ。」
作ったメニューは定番の玉子焼きに、タコさんウィンナー、アスパラベーコン、キンピラごぼう、それからそれから……
って私、めちゃ張り切ってる感じになってるじゃん。
「わぁ、これ全部沙紀さんが?」
「そうよ。お口に合えばいいけれど。」
「じゃ、早速。どれも美味そう。これから食べよ。」
と、陽日がまず取ったのは、私の自信作でもあるだし巻き卵。
こういう時、可愛い女子なら少し甘めの玉子焼きにするんだろうけど、私は昔から玉子焼きと言えばだし巻き卵。
子供の頃からの味なのだ。
「うわっ!」
だし巻き卵を口に入れた陽日が叫び声を上げる。
「ごめん、思ってたのと違った?」
やはり、若い彼には甘い卵焼きが良かったのかも。
「違う違う、確かに思ってたのと違うけど。」
やっぱりか……。
ごくんとだし巻き卵を飲み込むと陽日が言った。
「そうじゃなくて、甘いのだろうなって思って食べたらだし巻き卵だったから、めっちゃ嬉しくて。」
「嬉しい?」
「うん、ほら大抵、甘い卵焼きが多いでしょ?俺、実はあれ苦手なんですよ。」
「そうなの?」
「あれって言うより、甘い味のおかず全般苦手で…でも食べるけどね。」
「ああ、分かる。私もどちらかと言えば甘いおかずって苦手だな。」
「本当に?じゃあ、俺達結婚しても味の事で揉めることはないよね?」
「はぁ?け、結婚って何言ってんの?余計なこと言ってないで、お弁当たべなさいっ!」
なんだろ、これじゃあまるで親子みたいじゃない。



