「俺、羨ましいな。」


「えっ、か、加藤くんも同期くらいいるでしょ?」


「いや、俺、実は別の所から来たんで、ここに同期は誰も居ないんですよ。」


なるほど、通りで最初からいた記憶が無かったんだ。


別の所って異動でうちに来たってことなのかな。


うちも今やかなりのグループ企業を抱えていて、こうして別企業から異動してくる人も一部にいたりする。


なので特別、珍しい事ではない。


大抵はスキルアップの為に研修目的で異動するけど年齢からしても、きっと彼もその一人なんだろう。


ていう事は何れはうちの会社からまたいなくなる?


一日もその日が早く来ますように……。


誰しれず心の中で祈りを捧げた。


「へぇ……加藤、そうだっけか?おっ、話の途中で悪いけど俺午後から、商談あるんだった、早めに行くわ。お先。」


食事もそこそこに急ぎ早にそう言うと志賀は社食から出ていった。


残されたのは私とーーーー