「お兄ちゃん、大人げない。恥ずかしいじゃない。」


そう、後もう一人増えたメンバーがいる。


実はこの春、大学卒業後に入社予定の樋山 那由(ひやま なゆ)ちゃん。


名前からも想像付く通り、樋山さんの妹だ。


随分と年が離れているけれど正真正銘の兄妹だ。


もちろん、那由ちゃんもお兄さんのコネを使う事なく真正面から入社試験を受けて見事、合格したのだ。


まぁ、私と違ってめちゃくちゃ出来が良いけどね。


さすが兄妹。


今は大学の授業もほとんどないので、連日の様にアルバイトとしてうちの会社に来ている。


「那由(なゆ)、兄を恥ずかしいとはどういう事だ?僕はこれまで恥ずべき生き方なんて一度もした事はない。」


「まぁ、まぁ。那由ちゃんの気持ち分かるわぁ。俺だってこんなサイボーグみたいな兄ちゃんいたら嫌だもんなぁ。」


「僕だって君みたいな無神経な弟は死んでもゴメンだ。」


「あっ、だけど俺と那由ちゃんが結婚したらあり得ますよね?兄さん?」


「やだっ、志賀さんたら……//////」


「いい加減にしろっ!那由はお前なんかに絶対にやらんっ。」


「もお、二人共いい加減にしてくださいっ。早く行かないと席取られちゃう。」


今日は最近出来た、バルに行く予定だ。


いつもならスマートに樋山さんが予約を入れる所なんだけど、新装オープンのお店で予約が取れなかったらしい。


それでも諦めきれない私は(食べる事となるとねばるんだよね)ダメ元で行ってみようって事で行く事にしたんだけど………


「グダグダ言ってないで早く車、出してくださいっ!」





このままだとずっと駐車場じゃないのよ。