ーーー本日、就業後、パーキングにてお待ちしております。


はぁ……


まただ。


あのよく分からない宣言通り、あれからも樋山さんから食事のお誘いがあったりする。


行かなきゃだよねぇ……


その都度、私には思ってる人がいますのでと断っても「それは構いません。」の一点張りだし……。


それで仕方なくそのお誘いを受けてはいるんだけど二人で行くというのはさすがに抵抗を感じて……。


それでーーー














「どうしていつもいつも君もいるんだね。」


「堅いこと言いっこなしっすよ。俺じゃなくてこいつがどうしてもって言うんだし、まっ、仲の良い同期なもので俺達。」


「なんかその言い方、イラッとしますね。まぁ、良いでしょう。早く乗ってください。って誰が助手席に座れと言いましたか?」


毎度の事だけど運転席に座る樋山さんと助手席に座る志賀が賑やかに言い合ってる姿にも随分と慣れてきた。


そう私は樋山さんからお誘いがあると、志賀も誘うことにしていた。


実は志賀には全てを話した。


私がどういう立場であるかと言う事も全て。


それは志賀がいつも私の事を気にかけてくれてたから。


志賀の気持ちに応えられないって言ってからも、今度は同期としてずっと支えてくれたから。


何よりも志賀は私が会長の孫娘だと知っても、きっとこれまで通り接してくれるって分かってたから。


だから全てを話した。


私が思ってたとおり、志賀はこれまでと何ら変わりなく接してくれている。


ただ、話した時は顎が外れるんじゃないかってくらい口が開きっぱなしだったけど。