「俺の告白はさすがに覚えてますよね?」 


さすがに少し呆れ顔で聞いてくる彼。


「こ、告白?」


「昼間、会社の非常階段で。」


「あっ、それね、うん。覚えてる。」


「はぁ…良かった。それも無かったことにされるかもって思った。」


独り言とも思える言葉を吐き出す。


「あの……それで、なんで付き合うとか?」


「だから、俺が沙紀さんの事、好きなんで付き合ってくださいって言ったんですよ。」


何かそんな事、言ってたような言ってないような……。


コーヒーをゴクリと飲みカフェインの力を借りて全力で思い出す。が、やはりハッキリとは思い出せない。


「で、私はなんと?」


「好きでも何でもないやつとは付き合えないって。」


うん、まともな返答だよね。


て言うか、本当にまともならこんな事になってないんだけど……。


「俺もその通りだと思いました。だって沙紀さん俺の事、何も知らないし。」


うん、そうだよ。て言うか、君は有名人だから存在は知ってたけどね。


「だから知ってもらおうと思って俺の事。」


んーっと、何か話が面倒な方へいってない?


「それで昨夜、暫定彼氏にしてくださいって。」







はぁ?
なんじゃそれ?