「沙紀さん、本当に何も覚えてないんですね。」


「そ、そのようで……。」


「はぁ……仕方ないか。酔ってたもんなぁ。」


「スイマセン……。」


「一層、強引に既成事実作ってた方が良かったかなぁ。」


「ゲッ、ま、マジで?」


「冗談ですよ。そう言うのは俺ちゃんと記憶のある時に合意の上でしたいし。」


「ええ、ごもっともな意見で。」


「それじゃぁ、言いますね。昨夜何があったかを。」


「はい、ど、どうぞ。」


ただならぬ雰囲気に思わず正座する私。


「俺達、付き合う事になったんですよ。」












「えっと……今日何か買い出しとかでしょうか?」


「違いますよ。買い物に付き合うとかじゃなくて男女の付き合うです。」


「ああ……なるほど。男女の付き合うねぇ………なんでっ?」


「沙紀さん、ほんと記憶飛んでますね。これ相手が俺じゃなかったら大変な事になってたかもしれませんよ。」


「仰る通りで…申し訳ない……。」


なんだろ、いい大人が朝から説教みたいな。