漸く二人して起きたのはお昼だった。


「お腹空いたね?何か作ろうかっていってもここじゃ無理か。」


すぐ隣にある簡易キッチンに目をやり言う。


「じゃあ、外で何か食べる?デートしよう。」


デートと言う響きに妙に照れるアラサーの私。


「うん。デートね。」


デートかぁ、さぁどこに出掛けようか。







 





やって来たのは中華街。


「ちょっと頼み過ぎなんじゃない?」


丸いテーブルの上にはいくつものお皿が……。


「これくらい、全然余裕だよ。それにーーー」


そこまで言うと陽日は私の耳元に近付いて


ーーーだって昨夜、沙紀さんの事、愛しすぎちゃったからパワー付けないとね。


とウィンク付きで言う。


「な、何言ってんのょ………」


恥ずかしげもなく言うと陽日はいただきますと手を合わせパクパク食べ始めた。


「旨いっ。沙紀さんもこの肉団子食べてみなよ。」


そう言って肉団子を一つ取り私に向ける。


「い、いいよ……自分で食べるって。」


少し昼時からずれてると言っても土曜日だから店内はそこそこ混んでいて人目が気になる。


しかも陽日はどこにいても目立つ存在だし………。


私が戸惑っていると


「ほら、あーん。」


なんて言ってくるし。


こりゃ駄目だな。


早く食べてしまった方が良いかも。


大っきな口を開けて一口でパクっと食べた。


口に入った瞬間、黒酢の酸味と程よい甘みとが丁度いいバランスのタレの味が広がってくる。


「美味しいぃ〜」


「でしょぉ?」


そう言いながら、私の口元に親指を這わせる陽日。


「っ、な、なに?」


「沙紀さん、タレが付いてる。」


そう言って口元に付いてしまった肉団子のタレを指で拭うとペロッと舐めてしまった。


ひゃぁ〜//////


もう一々恥ずかしいぃよ。