「本当だよ。だから信じて。あの時も言ったよね?俺の気持ち受け止めてって。」


そう言いながらあの時と同じ様に私の頬に手を添える。


「いつだって俺は……ずっと本気だよ……沙紀さんのことが………」


段々と陽日の整った顔が近付いてきて……もう少しで唇が触れそうな時ーーー


ふと、何か忘れてる気がする………。















「ねぇ、なんでおじいちゃんちにあんたいるの?」


肝心な事を聞くの忘れてた。














「それは飯でも食いながらワシから話そうか。」


いつの間にかおじいちゃんが立っていた。


二人して飛び跳ねるように離れると


「若いってのは実に良いもんだ。」


おじいちゃんは笑いながらそう言うとおばあちゃんの待つダイニングに向かった。