「その後、藤枝さんとは?」


「うん、それがね。この前ちゃんと話したらなんかスッキリして。割りと普通に接する事が出来てるよ。お互いにね。」


「そっか、なら良かった。」


「ありがとう。」


「なんだよ、急に。」


「だっていつも心配してもらってるから。」


「そりゃ、惚れた女の事だし、当然だろ?」


志賀のストレートな言葉にいつもなら冗談で返すんだけど、この事もちゃんと話さなきゃな。


「それでね、加藤くんとの事なんだけどーーー」


「俺には全くチャンス無いって事?」













「志賀………。」


「何となくだけど……旅行から帰って来てお前と加藤見ていると感じが変わったなって。」


「変わった?」


「ああ……お前のあいつを見る目がちょっと変わった。」


「ほ、本当に?」


言われてもピンと来ない。


「他のやつが見たって分からねぇだろうけど俺はお前の事、ずっと見てきたから……」


そう言うとグラスに残ってたワインを一気に空けた。