「ちょっと誰かー!助けなさいよっ……!!」
くそっ……。
ジタバタもがいでも、縄はビクともしない。
ったく……。
誰よ、こんな事したのっ!?
まさか……河瀬の奴が……?
「やっと起きたんだ。藤堂麗」
「っ……」
声がした。
知ってる。
私、この声知ってる。
聞き覚えがある。
間違いないわ、これは……。
「四ノ宮っ……冬真っ……」
いつの間にか、私のすぐそばに立っていた人物。
今、私を見下ろしているのは紛れもなく、あの四ノ宮冬真。
何で……あんたがここに?
行方不明じゃなかったの?
しかも何よ……その化け物みたいな顔は。