上手く走れなくて。 焦りが募ってくる。 「小春ちゃん」 彼の声がすぐ近くで聞えた。 そしてガシッと掴まれる腕。 「小春ちゃん……捕まえた」 どん底に、叩き落とされた瞬間だった。 捕まった。 痛い。 力が強い。 腕を掴む力が尋常じゃない。 捕まった、どうしよう。 逃げられない。 逃げられない。 逃げられない。 逃げられない。 逃げられない。 ……もう、逃げられない。