「っ……翔、くんっ……」


上条くんに腕を掴まれたまま、私は崩れるようにその場に座り込んだ。


翔くんの名前を呟きながら泣き叫んだ。




「……」


上条くんはとり乱す事もなく平然としていた。


痛いくらいの力で私の腕を掴み続けている。



一瞬、ニヤリと上条くんが笑った気がした。




「小春ちゃん」


静かな室内に響いたのは、聞いただけで寒気がする声。



「四ノ宮くんっ……」


「やっと邪魔者を排除したよ」


「っ……」



フイッと、思い切り四ノ宮くんから視線を逸らした。