この人は本当に良い人なの?


それとも……。





「ああああぁぁっ!!!!」


耳を劈くような大きな悲鳴が聞こえて、体がビクッと跳ねた。



恐る恐る悲鳴のした方を見ると、翔くんが仰向けになって倒れていた。


お腹には大きな切り傷。
パックリ切れたお腹からは大量の血が流れていた。




「いやああああああああっ!!!」


嘘だ。
こんなの嘘。
嘘であってほしい。



「翔くんっ……翔くんっ!!!!!」


何度も何度も「翔くん」と叫び続けた。

返事がくる事はなかった。