「小春、おはよ!」 「翔くん……」 朝、施設を出ると、携帯をいじりながら翔くんが待っていた。 一緒に登下校するのは当たり前の事。 「小春、また目の下にクマできてるよ?寝れないのか?」 私の手を握って、 翔くんは心配そうに顔を覗き込んだ。 「大丈夫、だよ……」 四ノ宮くんが現れて以来、あまり眠れなくなった。 軽くノイローゼになりそう。 「小春」 「え……ん!」 名前を呼ばれて、翔くんの方を向くと唇に柔らかい感触が。