いろいろあるからだ。


 事情というものが。


 そして橋村と共に、しばらくの間、昼間は一課のフロアで息を潜めていた。


 次はどうなるかと思いながら……。


 同じ状況というものは長く続かない。


 そう考えると、気が楽だった。


 確かに疲れる。


 都内は曇りの日もあったが、蒸す日の方が圧倒して多い。


 翌週水曜の朝、起き出して、通常通り出勤する。


 先に橋村がいて、声を掛けてきた。


 一言返し、パソコンを立ち上げて、キーを叩き始める。


 暴力団捜査と殺人事件がミックスされた、腐臭のようなものが漂う。


 嫌だな。