そして南新宿署へと向かった。


 刑事課に入っていくと、前田も石川もいない。


 おそらく外回りで席を外しているのだろう。


 所轄の捜査員も暇がないんだろうな。


 そう思い、署を出て、外を歩き始めた。


 街を歩いていく。


 疲れるのだが、落ち着いていた。


 多数の人間の渦の中を歩く。


 大都会は無情だ。


 ただ、流れていくだけで。


 そして俺たちも歩き続けた。


 すぐ近くにある神宗会事務所を偵察する。


 いずれ組対の連中が乗り込んでいくだろう。