この街は大都会だ。


 絶えず人やモノが行き来する。


 そして俺たちもそれに流される。


 感じていた。


 いつになれば、本庁は組対を動かすのかと。


 暴力団が殺人事件に関わっている可能性が大なら、組対を動員すべきだろう。


 まあ、上には上の事情があるのだ。


 俺たちの知らないところで。


 常に俺や橋村のような下っ端が動く。


 着実に気温は上がっていた。


 そう寒さを感じない。


 二月ももうすぐ終わり、三月が近いのだし……。


 街を歩いていく。