これで三原社長殺害の一件が曖昧になるなど、許されない。


 必ずホシを挙げてみせる。


 そう思っていた。


 そして始終ずっと動く。


 次の週の金曜になり、俺も橋村も通常通り警視庁に出勤した。


 出勤後すぐにパソコンを立ち上げ、マシーンに向かってキーを叩く。


 庶務は疲れる。


 単調なので。


 だが、思っていた。


 キャリアで警部の職にいるのだから、自信を持っていいと。


 いずれ橋村に追い抜かれるにしても。


 俺自身、出世とか金などに全く欲がなかった。


 他人から言わせれば、珍しい人間だろう。