そう思いながらも、案件として手放すわけにはいかず、黙々と取り組んでいた。


 土曜も通常通り出勤し、また一課のフロアで橋村と顔を合わせる。


 相方も参っているようだった。


 確かに疲れるだろう。


 同じ警察官として、同情していた。


 だが、とにかく俺も橋村と力を合わせ、やっていくつもりでいる。


 事件が劣化し、以前よりも薄れつつあるのは分かっていて……。


 午前中で庶務を切り上げ、昼食を取った後、地下駐車場へ歩き出す。


 そして車に乗り込んだ。


 覆面パトカーはいざとなれば、赤色灯を車上に載せ、緊急走行状態となる。


 昔から多数の刑事事件を追ってきた。


 一警察官として。


 凶悪犯を追ったことも、数知れずあった。