複雑なものを。


 だが、大事な相方だ。


 若いから育て甲斐がある。


 そう思い、常に傍に置いて仕事していた。


 捜査は迷路に入りかけている。


 三原を殺害したと目される神宗会関係者は行方を晦ましていた。


 そして内田晶夫も逃げている。


 8月も終わりが近いのだが、解決への糸口など全く見つかってなかった。


 ただ、仮に事件捜査が滞っても、犯人を追い続けられる。


 殺人事件は公訴時効がないからだ。


 そう思い、日々現場に出ていた。


 その日も昼から南新宿へと行く。


 疲れた体を時折休める。