午後1時半過ぎに、前田が帰り着いたようで、


「すみません。出てまして」


 と言い、椅子に座って、息をつく。


 捜査と言っても、所轄の刑事が出来ることは限られている。


 だから、逸早く本庁の人間が捜査部隊を編成し、動いてもらいたい。


 前田も石川も苦しんでいるのだから……。


「神宗会の当山、池上、田無、そして他の構成員も組事務所とは別の場所にいるようです。あと、ムーンの内田晶夫も行方を晦ましてるようで」


 前田がそう言うと、俺が軽く息を吸い込み、


「どうやら事件も藪の中みたいですね」


 と言った。


 橋村が、


「梶間さん、それは早計じゃ?」