と言った。


「大村係長を殺させて、自分は雲隠れか……」


「ええ。……それに逮捕・勾留されてる生田も、青酸カリによる毒殺の顛末を自供してますし」


「橋村君、矢野原監察官のことはしばらく脇に置いて、事件探ろうよ。俺たちが追ってるのは、あくまで三原社長殺害のヤマだからな」


「そうですね。原点回帰してみましょう」


 橋村が頷き、ちょうど午前9時から、課内庶務をこなし始めた。


 一課の捜査員も普段は庶務をしながら、合間に捜査や鍛錬などを行う。


 慣れていた。


 そういった日常に。


 キーを叩きながら、所定のフォームに文字や数字などを入力していく。


 他の一課の人間たちも、大抵朝方は点呼や庶務などに追われる。


 特に決まったことでもなかった。