「梶間さん、おはようございます」


 と挨拶してくる。


「ああ、おはよう。……今日も午後から南新宿に行くよ」


「ええ、分かってます。外は蒸し暑いですけどね」


「仕方ないだろ。一課のフロアにいても、事件が解決するわけじゃないし」


「まあ、そうですね。……俺も幾分認識不足です」


「しっかりしてくれよ。まだ若いんだから」


 そう言って、パソコンを立ち上げ、キーを叩き始めた。


 だるい。


 体の芯が。


 不意に前歴者データベースに載っていた内田晶夫の顔が浮かんでくる。


 あの脂ぎった顔は、一際不潔だ。


 人妻クラブムーンは廃業しているのだし、あの男が何らかの形で事件に関わっているの