「アイツらには、余罪なんかいくらでもあるんですよ。この通りです」


 と言い、苦笑する。


 そして、


「本園を捕まえてたら、神宗会の連中が沸騰するのは分かってます。ですが、ここで引くとまずいですね。正念場ってやつですよ」


 と言葉を重ねる。


 俺も橋村も頷き、俺の方が口を開いて、


「ひとまずここは所轄のデカさんに花を持たせましょう。我々本庁は別の方面を探ります」


 と言った。


「期待してますよ」


 石川がそう言うと、大村も共に頷く。


 その日はまた午後も南新宿署の刑事たちは出払っていた。


 外回りのためである。