すると、ちょうど俺たちがいる場所の近くに、上下とも黒っぽいスーツを着た刑事らしい人間が二人いた。


 もしかして所轄のデカか?


 そう思い、わざと目を伏せる。


 お互い交錯しないまま、その場は過ぎた。


 ずっと歩いていく。


 南新宿署の捜査員がいてもおかしくない。


 そう感じながら、歩き続けた。


 南新宿署刑事課の横にある帳場へ行き、大村を訪ねる。


「ああ、梶間警部に橋村警部補。こんにちは」


「こんにちは、大村係長。今日は一つ申し上げたいことがありまして」


「何です?」


「神宗会の摘発はまだ出来かねます。構成員が全員在日外国人であるのをご存知ですか?」