いかにも若者らしい。


 俺ぐらいの年齢になると、眠れなくなる。


 まあ、それだけ日中はハイテンションということなのだが……。


 午前九時過ぎに、上田から連絡があった。


 鑑識課に来てくれということである。


 了承し、橋村と揃って歩いていく。


 鑑識課で上田が待っていた。


「ああ、梶間警部、橋村警部補。おはようございます」


「上田さん、おはよう。……例の金庫と書類、精査できたの?」


「ええ。あの金庫はドアノブに複数名の指紋があり、それらを採取したら、いろんな人間が触れていたことが分かりました」


「いろんな人間?……内田晶夫だけじゃないのか?」


「はい。それにあの書類にもドアノブの指紋と全く同じものが多数付着してました」