思っていた。


 人間社会はどこも忙しいと。


 刑事をやっていて、暇などまるでない。


 デカは何かと慌ただしい職業だ。


 それは痛感していた。


 そして日曜を迎える。


 今朝辺り、上田が金庫にあった書類の精査を終えているはずだ。


 出勤し、一課のフロアに入っていって、先に来ていた橋村に、


「おはよう」
 

 と言うと、


「ああ、おはようございます」


 と返事が返ってきた。


 眠そうだ。