気長に待つつもりでいた。


 それに矢野原監察官が、所轄の帳場を訪れた理由も直に判明するだろうと思って。


 事件は裏で動き始めていた。


 三原社長が惨殺されたこの事件の真相は、いずれ掴める。


 いろいろあるのだ。


 依然、闇の中だったにしても。


 そして午後四時半過ぎまで南新宿の街にいて、そのまま帰庁した。


 遅かれ早かれ、きっと掴めると思う。


 事件の真相が。