「あの監察官は一体何様のつもりだ?」


 と本音を漏らす。


 人間は本心が出ることもある。


 言葉に。


 俺も橋村も島谷も、他の捜査員たちも皆黙っていた。


 矢野原の心を変えるには、捜査して結果を出すしかないのである。


 思っていた。


 焦らずに、と。


 金曜は終日フロア内に待機していた。


 午後からは庁内で課長級以上の幹部会議が行われ、吉村は捜査一課の代表として出席したのである。


 昼は食堂でカツ丼を食べ、その後もずっとフロアに詰めていた。


 時折、各所轄の情報が入電される。