side??


偶然、窓から見えた景色に。

俺は、目を見張った。

1人の女が倒れこみ、それを集団で女達に蹴られている。

倒れた女は、ほとんど意識がないように見えた。

「あれは、ヤバくない……」

近くに寄ると、思った通り、女はほとんど意識がなかった。

「そのくらいにしとけば?そいつ、死ぬよ?」

その時の女達の反応には、少し驚いた。

「別に、自業自得じゃない」

「蘭華の姫をイジメたのよ。このくらい、当然でしょ」

驚いた、だけではない。

怒りも、湧いた。

命がどんなに大切か、こいつらはわかってない。

「……どいて」

睨み付けると、女達はすぐにどいた。

俺は倒れた女を抱き上げる。

とても、軽かった。

綺麗な顔にも、大きな痣がある。

いくら、こいつが蘭華の姫をイジメたとしても。

これはやり過ぎだった。

病院に、連れてくか。

しっかり女を抱え直すと、俺は病院に向かって行った。





side??終わり