「郁也……とりあえず離して?」 由奈にそう言われて、急いで抱きしめる手を離す。 やべぇ、このまま家にお持ち帰りしそうだった。 そして由奈と俺は初めて向かい合う。 「い、郁也…っ」 心なしかまだどこか怯えてる由奈。 「また…仲良くしたい。郁也と。」 ……どうせ幼なじみとして、だろ。 それならゴメンだ。 そう思ったけど、これでまた由奈と距離ができたらバカみたいだ。 少しずつ距離を詰めていけばいいんだ。 返事をしようと思い、由奈を見るとなぜか涙目だった。 ……かわいすぎんだろ。