私ももっと経理やなんかのことも手伝わなきゃいけないかな……。


「で、どうしたんだっけ?」


少し反省していた私だけど、お父さんに聞かれて、もう一度さっきのことを伝えた。


「アザミとタケちゃんな、了解。これから配達行ってくるよ」


そう言うと、お父さんは帳簿を適当に片付け始めた。

このマシロでは、車で三十分以内くらいの近場なら、注文の品をお父さんが配達している。

商店街の人達は近いから取りに来てくれるけれど、少し離れた所の店主さんは、うちの配達サービスをありがたく思ってくれているらしい。

“直接相手の顔を見て、自分の手で商品を渡したい”という、お父さんの昔からのポリシーのおかげでもあるのだけど。


腰を上げて、薄手のジャンパーを羽織るお父さんに、私は何気なく言う。


「なんかタケちゃんに持ってく容器の数、前より減ったよね」


一昨年あたりまでは段ボール箱二つほどを週に一回持っていったのが、今ではその量が半分ほどに減っている。

この発注はしていない私でも、配達する分の仕分けをしていればわかることだ。

苦笑を浮かべたお父さんは、私の横を通り過ぎてドアの方へ向かう。