「すごい素敵なレストラン……! 敷居が高すぎなくて、私でも気後れしないから入りやすいです」

「そう? ならよかった」


席についてさっそく話すと、彼は柔らかな笑みを見せる。


「夏輝さんって、いろんなお店知ってそうですよね」

「そうだな。職業柄いろいろと見てきてるし」


夏輝さんが予約しておいてくれたコース料理を待ちながら、たわいない会話を交わしていた。

彼はどんな場所にいてもサマになっちゃうから、容姿抜群な人って本当に羨ましい。

というか、この人が自分の彼氏だなんて、まだ信じられないな……なんて思いながら。


料理は見た目も味も文句なしで、とっても満足だった。

ただ、私の中でぐるぐると巡っている心配事がひとつ。

それはプレゼントをいつどこで渡したらいいのかということ。

一応ふたりで過ごす初めてのクリスマスだし、カタチだけでもと思ってプレゼントを用意してあるのだ。もちろん、自分でラッピングをして。


好きな人にあげるプレゼントを自分で包むというのは、あの最悪な思い出が残る数年前のクリスマス以来だ。

あの時は渡せなかったけれど、今日は絶対に渡そう。

そして、最悪なクリスマスの思い出を塗り変えるんだ。