何はともあれ、女子アナさんの言う通り、マシロの魅力を存分にお伝え出来れば文句なし!

お父さんも次第に緊張が解れたらしく、なんとか言いたいことは言えたみたい。

私はあまり映りたくはなかったけれど、マイクを向けられてしまったから仕方なく二言三言話すことに。

朝のうちに陽介が運んでくれた、観葉植物や色とりどりの綺麗な花に彩られた、いつもと少し雰囲気の違うマシロで、順調に撮影は進められていった。



無事取材が終わると、スタッフが機材を撤収する中、女子アナさんが気さくに話し掛けてきてくれる。


「お疲れ様でした~! オンエアが楽しみですね」

「えぇ、もう録画しますよ。ありがとうございました」


お父さん、すっかりフレンドリーになっちゃって……。

笑い合っているふたりを皆で微笑ましく見ていると、女子アナさんが私達を見回し、柔らかな笑顔でこんなことを言う。


「マシロさんのレトロで温かい雰囲気、私とっても気に入りました。以前トワルさんを取材させていただいた時に、『マシロはトワルとはまた違う良さがありますよ』とおっしゃっていた方がいたんですけど、それがよくわかりました」

「えっ……」


皆で一瞬ぽかんとする。

そんなことを言ってくれた人がいたの?

というか、それってまさか、浅野さん──?