夕飯を食べた後、バッグにしまったまま忘れていた、あの男性からもらったプレゼントを取り出した。

リビングのソファーに座り、自分で結んだリボンを解く。


『その色、君によくお似合いだ』

……なんて言ってたっけ。

ずいぶんキザだよね。カッコいいからそんなセリフも似合うんだけど。


でもあの人には、私は可愛さと爽やかさが混ざったようなイメージだったってこと?

そんなこともちろん言われたことはないし、自分自身思ったこともない。なんか、照れる……。


「お、珍しく可愛いモノ持ってるじゃないか」


日本酒の徳利とお猪口を持って私の隣にやってきたお父さんは、私が持つクマさんのキャンディーを物珍しそうに見ている。


「珍しくって。まぁその通りなんだけど」

「はは、悪い悪い。昔から美玲は女の子らしくなかったから」


まったく悪いと思っているように見えない父だけれど。

本当に私は、昔からぬいぐるみも欲しいと思わなかったし、スカートもあまり履かなかった。

でも、たまにこういう可愛いものをもらうとちょっぴり嬉しくなるから、やっぱり根は乙女なんだなと思う。