「私も、絶対マシロの名前を守りたいんです」


静かに、けれど強い気持ちを込めて言うと、二人も真剣な面持ちで頷いてくれる。


「大丈夫よ。もしまた彼が来て何か聞かれても、相手にしないようにしましょ。ね、浜名さん」

「わかったわ。美玲ちゃん、私達に何か出来ることがあれば何でも言ってね」


二人の心強い言葉に、私は自然と笑顔が戻って、「ありがとうございます」と頭を下げた。

トワルに比べれば、ものすごく小さな店だし、従業員はたったの四人しかいない。

それでも絆の強さや団結力では負けないんだから!



……と、意気込んで仕事をすること数日。

年配の女性客に頼まれて、彼女が持ち込んだ品物をラッピングしていた最中、新たにお客さんが入ってきた気配がして「いらっしゃいませ」と声を掛けた。

手元に目線を落としたまま、作業に集中する。

今回は商店街の八百屋さんで買ったというフルーツを、盛り合わせて綺麗に包装してほしいと頼まれた。

こういう品物の時はバスケットにフルーツを入れ、透明なフィルムで包み、中身を見せるラッピングにするのが私のやり方。

仕上げに二色のリボンでフィルムを結んだ時、ちょうどカウンターの前に人が来たため、これを頼んだ女性客だと思い顔を上げる。