初恋を知った瞬間

「なんだろうね、あの人」

「そうですね……」

どうしたのでしょう急に……?

泉さんの背中を見送ったあと、私は泉さんの傘を使って家まで帰りました。

家へと着いた私は、泉さんにタオルを借りていたことを思い出しました。

「返すの忘れていました……」

外を見るとさっきまで降っていた雨は止みかけていた。

「明日お渡しすればいいかしら?」

そう考えタオルを机の上へと置く。

「泉さんの匂い……良い臭いです」

この出会いの日が、私にとって初めての恋の始まりになるなんて、この時は思ってもいませんでした。