初恋を知った瞬間

服を作ることは幼い頃から好きだったので、将来は服を作る関係の仕事に就きたいとも考えています。

「私にとって服を作るのは、すごく楽しいことなんです。自分が思う服を作れることが嬉しいんです」

「なるほど」

って、泉さんの前で何を言っているんですか?!

「すごいね」

「えっ?」

「幼い頃から夢中になっている事が今も続いていて、その楽しさを感じているなんて」

「泉さんもそうじゃないですか?」

「俺が?」

自分から進んでサッカーの練習をするなんて、それはサッカーが大好きってことになると思います。

「先輩はサッカーが大好きなんですよね?」

そう聞くと先輩は何故か頬を赤らめると、誤魔化すように言った。

「そ、そんなんじゃないよ。ただ試合が近いから自主練していただけだよ」

誤魔化す必要ありませんのに。

「そうだ……俺用事があったんだ」

「えっ?」

「この傘使ってもいいから──またな」

「あ、あの泉さんは?!」

泉さんは私の手に傘を預けると、雨の中を走っていってしまった。