初恋を知った瞬間

「絛さん!」

苅野さんが私まで距離を縮めた時、苅野さんの顔にサッカーボールが飛んで来ました。

「がっ!」

苅野さんはそのまま後ろへ倒れてしまいました。

「か、苅野さん……?」

完全に気絶しているのを確認して私はホッとしました。

「大丈夫か佳絵羅?!」

名前を呼ばれ振り返ると、そこには泉さんが息を切らして立っていました。

「泉さん…?!」

どうして泉さんがここに?

今は授業中のはずですのに……。

「ボールを取りに来たら佳絵羅の姿が見えて、様子を伺ってたんだけど咄嗟にボールで蹴っちゃって」

ナイスコントロールと言いたいところですが、私は直ぐに泉さんの体を抱きしめました。

「ちょ、佳絵羅?!」

「怖かったです!」

私は子供のようにな泣き始めました。

「男の人が初めて……怖いと思いました……」

これじゃあ男性不信になりそうです……。

「……俺は?」

「え?」

先輩はじっと私を見てきました。

「俺は怖い?」

「そ、そんなこと……ないです」

泉さんが怖いはずなんてありません。

「泉さんは怖くありません。むしろ……」

好きですと言いかけて唇を噛む。