それから数日が経って、私は泉さんとはあの日以来あまり会っていませんでした。

というのはあまり正しくはありませんが、泉さんの姿を見かける度に逃げてしまうのです。

「はあ……」

そして今は移動授業中……。

外では泉さんが体育の授業でサッカーの準備をしています。

「かっこいいです……」

ふとそんなことを思いましたけど、すぐに頭を左右に振りました。

「最近の佳絵羅お姉ちゃんおかしいよ?」

「え?」

私を心配してきた望美が私の目の前に来る。

「だ、大丈夫だよ! 全然いつもの私です!」

「でも授業中とかボーッとしてない?」

一番後の席だから私の姿が丸見えなのですね……。

「の、望美は何も心配しなくていいですよ! さあ授業行きましょう」

泉さんのことは、望美や他の人たちには知られたくありませんでした。

心配をかけたくはなかったし、自分で解決したいと思っていたので。

「あ、あの絛さん!」

「え?」

すると同じクラスの男の子が私に声をかけてきました。