初恋を知った瞬間

「今から俺が言うことは独り言だから、聞き流してほしいんだけど」

「は、はい?」

先輩は深呼吸すると話し始めました。

「君が雨宿りをしているのを見かけた時、その……可愛いなって思ったんだ」

「……可愛い、ですか?」

『可愛い』という言葉は、何度も言われたことがありましたが、泉さんからそう言われると、急に恥ずかしくなってきました。

「声をかけたら良いのか迷ったけど、君……じゃなくて佳絵羅……困っていたように見えたから」

初めて名前を呼ばれて胸が高なった。

この感じはもしかして……。

「佳絵羅と話していくうちに、もっと君のことが知りたくなったり、話してて楽しく感じたり、他の女の子とは違う感じがして」

私の心臓の鼓動が早くなっていく。

「だから俺と“友達”になってくれないか?」

「……友達?」

鼓動の早さが徐々に治まってきた。

「そう! 友達!」

私の中では恥ずかしさが頂点へと達した。

「わ、私でよろしければ……」

「あ、ありがとう!」

先輩は嬉しそうに笑った。

私……馬鹿です。

勝手に恋とか決めつけて。

先輩がそんな目で私を見ているはずがありませんのに。