初恋を知った瞬間

それからして私とリンは、泉さんがいるグラウンドへと来ました。

「あ、居たよ佳絵羅」

リンが指をさす先に泉さんは居ました。

「居ましたね」

私は手に持っていた箱を隣に置き、草むらの上へと座る。

「見てるだけでいいの?」

「はい。私は見ているのが好きですから」

「ふ〜ん」

泉さんは私の存在に気づくと手を振ってくれました。

私はそれを見て軽く手を振り返した。

「佳絵羅って凄いよね、ただ見に来ただけなのにお弁当まで作るなんて」

「お腹が空いては練習出来ませんから」

隣には朝早く起きて頑張って作ったお弁当がある。

「あの人無事だといいね」

「何がですか?」

「なんでもないよ」

「こんにちは」

気づくと泉さんの姿が目の前にありました。

「こんにちは泉さん」

私は荷物を隣に置いて丁寧にお辞儀をした。

「だからそんな畏まらなくていいよ」

「す、すみません! つい癖で」