愛せない妻へ。



私の手を握って『ずっと、君が好きだった』と言ってくれたのです。



春時さんは最後の最後に私の気持ちに応えてくれました。


とても嬉しかった。


けれど、春時さんは天国に旅立ってしまい、当時は悲しみの方が大きかったです。



春時さんが亡くなって何年も経ち、私が24歳になった頃ある転機が舞い込んできました。


私が春時さん以外の方に恋心を持たないことに心配した両親から見合いの話を持ち出されました。



お相手は遥さんという32歳の方。


そう、その人があなた、遥さんです。



春時さんと同じ【はる】がついた名前、春時さんと同い年。


春時さんと少しながら繋がりがある方、

春時さんの欠片がある方とならと、すぐにそのお見合いに了承しました。




遥さんと初めてお会いした時から私は遥さんなんて見えていなかった。


ずっと遥さん越しから春時さんを見ていたのです。


雰囲気も性格も容姿も何もかも春時さんとは似ていない。



けれど、私の心はあの頃春時さんと少しでも接点があるのならと、あなたとの結婚を決意しました。




なので結婚を決意したのは決してあなたが良かったわけではなかったのです。



あの時、もし遥さん以外に【はる】という名前で春時さんと同い年の方がいらっしゃったら私はその人と結婚していたかもしれません。



気を悪くしましたか?


けれど遥さん、そこはお互い様でしょう?


あなたも私を好きで選んだわけではなかったでしょ?



あなたは瞳さんが大好きでしたね。