「愛していたのは…私だけだったのか……」
「……本当はあなたに渡さなければならない物があって今日は訪問させて頂きました……清花から遺書を預かってます。ここに全ての真実が書かれています」
由美さんは鞄から真っ白な封筒を取り出した。
封筒には妻の字で強調されて書かれた【遺書】という名の手紙。
「読んで下さいね、では四十九日の日にまた」
由美さんは丁寧にお辞儀をすると、迎えに来てくれた旦那さんと帰って行った。
部屋にまた静寂な空気が漂う。
でも先程と違うのは手の中に持っていなかった封筒があるということ。
妻の遺書。
春時という男性が書かれている。
妻の本当の気持ちが書かれている。
封を開けることに悩んだのは数秒のことだった。
私は丁寧に封筒を開け、入っていた便箋を開き、丁寧な字で書かれていた妻の本音を見て項垂れるしかなかった。
最後の最後に知った妻の本音。
どう表現したら良いのか分からない感情が蠢く。

