愛せない妻へ。



結婚して約10年も経っていたのに私はやっと妻と夫婦になれた気がした。



それからは妻に尽くした。


妻が笑ってくれればいい。


いつしかそんな考えになった私に妻は幸せそうに笑って、ずっと側にいてくれた。



幸せだった。




そんな私と妻の夫婦生活は私が81、妻が73まで続いた。



私も妻も老人だ、死期なんて間近だ。


年齢的に私が先に死ぬと思っていた。



いつ死んでもいいようにちゃんと準備もしていた。

しかし、現実は上手くはいかないものだ。



私たちの夫婦生活の終わりが見えたのは都内の病院の医師の宣告からだった。