愛せない妻へ。




自分の過ちを認め、すぐにかつて愛していた瞳と別れる決心をしたが

瞳と関係を終わらせるのに2年という月日が掛かった。


なぜそんなに掛かったというと、瞳が認めてくれなかったのだ。


泣き叫び、家具を投げ、私の腰に縋ってきた。


親が死ぬまで愛人という位置になって側にいて欲しいと頼んだ時、笑顔で了承した

あの余裕があって美しい瞳はもういなかった。


今思えば瞳も必死だったのだ。



あの美しかった姿は過去のことで、気づけば彼女も40歳という中年女性の歳になっているのだ。



誰もそんな歳の女と恋愛をし、結婚してくれる訳がない。

私に捨てられたら孤独しかなかったのだ。


しかし、私も自分の気持ちに認めてしまった今、瞳と縁を切るしかなかった。


そんな私たちが別れを成立するのに掛かった2年の間に彼女はまた歳を取り、

最終的に今住んでいるマンションを私が買うことと、慰謝料として7桁の現金を支払うことで終止符がついた。


さすがにこの時のことは妻にも迷惑を掛けと思うし、罪悪感で一杯だ。


けれど妻は笑って許してくれた。



そんな妻を何故今まで愛せなかったのかと自分を責め、

そしてこれからは誰よりも大事にすることを胸に誓った。