愛せない妻へ。



確かに妻の言う通り、私は妻に不自由のない生活をさせているつもりだ。


不満を言われるほど甲斐性なしでもないし、欲しい物があれば買えばいい。


金に困らせている訳ではない。


だから私のことに口答えをするな。


これが私の考えだった。


『切ないこと言わないでよ、辛くないの?』


『うふふ、由美ちゃん心配してくれてありがとね。

もう、辛いとか切ないとかの感情じゃないのよ』



妻の声は言葉とは裏腹にとても切ない声だった。



でも、私の心には何一つ響かなかった。


きっとこの時はまだ妻を信じきれていなかったのだ。



『そういえば夜の営みはどうしてるの?』


『…月1で義務のようにしてくれてるわ』



やはり妻には義務感の気持ちで抱いていることに気付かれていたか。


『そんな…結婚する前に処女だと重いと思われるからって結婚の為だけに処女を済ませた程の体験しかない、あんたにそんな扱い酷すぎる』


この言葉には私でさえ驚いた。


妻は私の為に処女を捨てていたのだ。

妻の考え通り、処女だったらきっと面倒くさいと思ってたかもしれない。



でもそこを見通してまで24年間守っていた純潔を捨てたのか?


俺のたった面倒くさいだろうという気持ちだけに?


この女の意図が全く分からない。