「あ、あはは~」
「だ、だよなぁ?木ノ原なわけねぇもんなぁ」
…はぁぁぁ?
『…木ノ原が、どうしたんですか?』
「あ?あ、あぁ。ずいぶん前なんだけどなぁ?」
「昔、遊んでたんですよ。
その、木ノ原萌って女の子と」
『…え…?』
ちょっとまってよ??
私、全然覚えてない…
いや、おんなじ名前だったのかもしれない
「でもですね。消えたんですよ。突然」
「確か…。あいつより、少し年上の奴か?
連れ去ったんだったよな。
どっかに」
「えぇ。見たときはびっくりしましたね。
あれ以来、一度も会ってません」
年上の奴…
『年上の奴って…、男。ですか?』
「そうだが??」
それ…、私だ…
でも、前の記憶がない…
あのときは…
私の友達って、言ってた
この人たちが言ってることが本当で、
その女の子が私なら。
私は、元々この江戸時代の人間??
スー
「総司~?巡察の帰りに甘味買ってきたんだけど、いるかぁ?…あ、お取り込み中か。すまん」


