ヒラッ…
『…黒い…桜の花びら…』
私の目の前に一枚の黒い桜の花びらがヒラヒラと地面に落ちた
後ろをすぐに振り向くと、あいつがいた
『…滝(ろう)』
「…久しぶり。萌」
『名前、呼ばないでくれるかなぁ』
振り向くと、後ろには、
私を未来に飛ばした本人。
滝が刀を握りながら私をニヤリと見ていた
私の周りには
白い桜の花びらと赤い桜の花びら
滝の周りには、
黒い桜の花びら赤い桜の花びら
が舞っている
「萌。なぜ、この時代に戻ってきた」
『知らないよ。気づいたらここにいたんだから』
「ふん、まぁ、そんなことはどうでもいい。
萌、俺のじゃまをしないでくれるかなぁ」
邪魔したつもりなんてないけど
「…波さん?」
『沖田さん。屯所に戻っていて』
「なんでですか?!」
『沖田さんが死ぬの、見たくないの』


